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| Naoko Mori |
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| 一番大事なのは、自分を信じる事・・・ |
演劇に目覚めたのは父 の転勤でイギリスに引っ越してからの中学時代、たまたま学校のミュージカルの主役に選ばれたのがきっかけでした。趣味で始めたものがまさか本職になるとは 思っても見ませんでした...。いつのまにか、スチュワーデスになるという幼少時代からの夢からさっぱり覚め、無我夢中で演劇、歌、踊りの勉強を始めていまし た。
幸いな事に英国では演劇、音楽、ダンスは中学から専門科目として選択出来、それぞれ公認試験もあり教師免許もとれます。学校外でも劇団やクラスに通い、父が帰国となった15歳の時にはここイギリスで女優になると決心、ロンドンに一人残りました。
プロデビューへと繋がったきっかけは高校2年の時、友人の誘いでたまたま行った劇団オーディションでした。彼女の付き添いで受けたらパスしてしまい、入 団。その劇団で『コーカサスの白墨の輪』のグルーシャ役を演っている時に出会った音楽監督が『ミス・サイゴン』の音楽助監督で、オーディションに誘ってく れることとなったのです。
受験勉強をしながら『ミス・サイゴン』の一次、二次と続くオーディション受けました。最終オーディションの日は最終試験と重なりましたが、なんとか間に合い両方ともパスし、大学とドラマスクールへの進学を延期し、舞台に参加しました。
当初6ヶ月の契約が2年にも延び、アンサンブルを演じながらジジ、そしてキムの代役を務め、続いてキム役(主役)に。終には大学にもドラマスクールにも行けず、十数年も経ってしまいました...。
キム役としての待望の初出演はある土曜日のマチネ、予定出演の数週間前に実現しました。代役としてこういう事も承知していましたが、開演15分前に突然知 らされ、緊張する暇もないまま舞台に出て行きました。公演中の事は、あまりにも無我夢中でよく覚えていませんが、公演後感じた歓喜は一生忘れられません。 私はその日「人間はやろうと思えば何でもできるんだ」と学び、女優としてだけでなく人間としても勇気づけられ、強くなった気がしました。
その後、私は日本人としての誇りを維持しつつ「東洋人」より「自分人」をモットーに、現地の女優の一人として歩んできました。
嬉しい事に、最近やっと東洋系の役者に対する見方や評価が変わってきたようです。あらゆる人種が描写されるよう常に「エスニックキャスティング」に気にかけてきたアメリカでは 'Asian is the new Black ー 東洋人は新黒人' という ほどの東洋ブームも起こりつつあり、今やとてもエキサイティングな時ですが、このブームや「こだわり」自体、一種人種差別的なものとも思われます。
飽くまでも「外国人」として観られてしまう我々東洋人。その中でも未だ上手く描写されないのが日本人。どうしても観光客やビジネスマンと、型にはめられた 役や、真面目で大人しい役にタイプキャストされがちです。原因は相手の近視眼的理解不足とも言えますが、本当の日本/日本人像についての日本側からの情報 発信が足りないからとも思われます。
日本人役のみで生計を立てていくのはなかなか難しいものです。この十数年、様々な役を演じてきましたが、その中で「日本人役」として書かれた役はたった5 回。断ったものもあれば、断られたものも数々、役が少ない中、競争率も激しく、海外でやっていくには日本人役以外の役も自分のものにする工夫が重要です。
その第1にはやはり自分/個性。人生同様、自分を追求し、知り、尊重する事が重要。常に新しい/違う「何か」を持つ役者を探し求めているこの業界では個性 は欠かせないもの。自分にしかない「自分らしさ」が唯一のセールスポイントとなる。特に日本人役以外の役を手に入れる時は、自分の素質やユニークさをア ピールし、役のエッセンスを捉えれば「東洋人でも...」と相手の同意を誘う
ことが出来、役を通して西洋人が持つ東洋人に対する一般的な見方も変わってくると私は思っています。
次に大事なのは英語力と発音。日本語なまりがある限り日本人役に限られてしまうので、できるだけ米/英語の発音をマスターし、その他東洋系などのアクセン トも勉強する事が大事。日本人役でも日本語なまりが強すぎれば解りづらく、表現の邪魔になる恐れもあるので、アクセントの強弱を調節出来るようになる事も 有利です。
昔、演劇の先生に方言やアクセントの勉強をさせられ、当時は「勉強したって日本人だから使うチャンスなんかない」と思っていましたが、大間違いでした。先 生のお陰であらゆる東洋人役の他、アメリカ人、イギリス人、中国系カナダ人やフランス人と思いがけない役も演じる事ができました。
日本でやや誤解されがちな自信も重要です。積極性を好むアメリカでの仕事のオーディションやミーティングの時は特に意識しています。自分の能力に確信を持つ事が成功の素とも言え、キャスティング側としても自信のある役者に自信を持つものです。
オーディションでの緊張は未だ難敵ですが、解す方法をいくつか覚えました。
「オーディションは既に受かり、この役は私のもの」という思考で「本番」と見なすのが一つ。キャスティング側はあなたの味方である事を覚えておくのも手。 相手には役に相応しい人を見つけるという問題があり、あなたがきっとその解答であると期待してくれているのです。
この世界で一番大事なのは、自分を信じる事。自分を磨き、べストを尽くし、常にオープンな姿勢でいると、それへと導いてくれる縁やきっかけが寄ってくるもの。信念と努力があればどんな大望でも達成でき、どんな夢でも実現できると私は信じています。
プロフィール:
森 尚子(もり なおこ)
11月29日、愛知県生まれ。父の転勤で4歳でニューヨークへ移住、10歳で東京へ帰り、12歳でロンドンへ移住、現在に至る。17歳の時、ロンドン『ミ ス サイゴン』でデビューし、キム役(主役)に。その後、TVドラマ『CASUALTY』、『PSYCHOS』、人気コメディー番 組『ABSOLUTELYFABULOUS』などにレギュラー出演。主な映画にはスパイス ガールズの映画『 SPICEWORLD』、マイク リー監督の『 TOPSY TURVY』、舞台ではブラッド フレーザーの新作『SNAKE IN FRIDGE』などがあり、日本では『美女とトークンマヨネーズ』、『ヘアー』(パルコ劇場)などに出演。 |
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2008.09.05 |
| Miss Saigon(ミス・サイゴン) |
| アジア人 / ミュージカル■女性主役 |
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2008.09.05 |
| Manga Boy(マンガ・ボーイ) |
| 日本人 / 短編映画■男性主役 |
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2008.09.04 |
| CINEMA SALVATION(シネマ・サルヴェーション) |
| アジア人 / 長編映画■女性主役 |
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